Eddy's Work Shop Tips

2003年10月25日に道満グリーンパークで開催されたEddyのワークショップで仕入れた内容です。
写真等につきましては本人の了解を得ていますが、ワークショップの内容については公式ページにも詳しく解説されておりますので
正しい理解の為に合わせてご覧下さい。
何よりも、是非参加して(10月後半開催予定)実際に滑る様子を見て、聞いて、より奥深いスケーティング技術をマスターしましょう。

例によって私なりの解釈もはいっていますので参加された方で間違いに気づかれた方のコメントをお待ちしております。

解説は思い出つくままに行っておりますので、順番にこなす必要はありません。

Mr. EDWARD MATZGER(エドワード・マツガー氏) ’67年生まれ。カリフォルニア、バークレイ在住。( 公式ホームページ )

世界中のインラインスケーターの間でも有名な人物。
キングオブインラインスケートの通称を持ち世界中のレースで数々の記録を残して
大会出場の傍ら、スピードスケートの講習(WorkShop)の為に世界中を飛び回る。
アテネからアトランタまでの85マイル(通称A2A)で7回の優勝を勝ち取る
10kmの世界記録、1時間トライアルの世界記録を保持して6度にわたりナショナルインラインチャンピオンとなるギネス記録保持者。
'95年に「万里の長城」を滑走。
'98にはキリマンジャロをDave Cooper氏とオフロード用スケート(Roces Enduros)にて登頂
他にも富士山やエジプトのピラミッドも走破したとか?(笑)

プッシュ(自転車とサッカー)
これが今回私が習得した中でもっとも重要なエッセンスです。ワンフットでグングン漕ぐ為にも役に立ちますよ〜。

私の従来のプッシュ
私の従来のキックは自転車のペダルを踏み込む様な感じだけで力を入れていました。
体全体を押し出す様なスタイルでパラレルも、中途半端なワンフットもこのスタイルでした。

長距離を滑っていると腿部分の筋肉が次第に疲れてくるのを感じてペースダウンします。
さらに酷使すると膝のお皿の上部が痛くなります。

今回のプッシュ
エディのキックは上記のプッシュに加えて膝を伸ばす様なキックが組み合わさります。
プッシュ(押す)という表現よりはキック(蹴る)といったイメージです。
まるでサッカーボールを蹴る様な感じという印象を受けました。

クロスステップの状態から放つキックは踵で風船でも潰し割る様な鋭さです。

踵を押し出すイメージ

1/4の円弧
踵・かかと・Heel

キックの後半で足が伸びきる際に上記のキックが発生します。
アイスに比べてグリップの限界が高いインラインでは力を無駄なく使える非常に有利な部分です。
踵で蹴った際に、ジャッ!とウイールと地面の摩擦でする音がキックの強さを感じさせてくれました。
踵を遠くへ突き出す様なイメージで、最後まで接地しているのも当然踵です。

キックは前の方まで蹴っても無駄なので、膝が伸びきったところ(体の横くらい)まで。
キックはエッジが出来ない様に垂直に力を加える事が大事です。
エッジがついていると、無駄に踵(かかと)を横滑りさせる事になります。

ベースポジション(&型(ampersand)を全身で作る)
リカバリで足が戻ったときの姿勢で、一連の動きはこの姿勢をスタートとして説明されています。

「&」(アンパサンド)型の基本姿勢
膝を胸骨に近づけるような感じで、「&」のような形を作ってください。
この姿勢をぐらつかないで安定するように完成させてください。

片足で安定して滑れる様になるまでは爪先を補助に使って練習します。

正面図
ちゃんと腰を落とさないと、鼻、膝、爪先が一直線になりません。

また腰(背面)は地面と平行になる様に意識してください。
両膝をくっつけることで平行状態が安定しやすくなります。

私の場合、両腕を軸足の方に揃えて出すことでより簡単にバランスがとれましたが
いずれは両手を後ろに組んでも出来るようになりましょう。

フォール(接地)
重力により倒れ込む体を受け止める瞬間にもコツがいっぱいあります。
直前まで膝をそろえた状態で、倒れ込んで最後の一瞬で足を出します
いっそ、着地する方の足首を直前までもう一方の足に絡ませるくらいの意気込みで。

このときは、腰から倒れていく感じです。エディ曰く「プレスリーの様に」
フォールからの着地で重要な事はインエッジにならないこと
インエッジになる時点でパワーをロスしています。
傾きを大きくとろうとすると、インエッジになりがちなので、小股からはじめましょう。

ちなみに 両足が接地している瞬間はパワーロスになるので極力短く。
V字型でアヒルのように開いた状態からキックが終わる瞬間に片方が接地。

キックが終了する瞬間に足をつく。
蹴りだす様なキックと着地をひたすら繰り返して感覚を掴みます。

お尻から先行して倒れていく感じについては、上半身の平行運動のようで
上体を左右に振るのではないことに注意して下さい。



リカバリ(滑りながら休む為に)
「滑りながら足を休める」・・・聞いてはいたものの、私には信じられませんでしたし感覚が理解できませんでした。
足が浮いている一瞬の間に休めるものかと思っていたのです。
しかし 、今回説明したようなキックで使われる筋肉だと確かに足が一瞬楽になります。
しかもダブルプッシュなら浮いている時間も長く、まさに休んでいる感じです。
リラックスの瞬間

踵で真横に蹴って・・・爪先を下にカーブを辿るように戻す。
このDを描く動きが基本です。

足首を楽にして爪先が下を向いた形は、まさにキックで使用した筋肉がリラックスできる状態です。

スケート靴を履かずに、このD型のリカバリーの動きを空を切らせて練習してください。
ふらつかずに、癖になるまで徹底的に。
ベースポジションを安定させて正しいリカバリを体にしみこませる様に次の様なスケーティングを行います。

1)レギュラープッシュ(キック)
2)レギュラーップッシュが終わった足をそのままの位置で浮かせて滑走。
3)最後にリカバリ

ダブルプッシュ (強力なワンフットで漕げる様にもなります)

私なりの言葉で言うならワンフットを二個ずつ交代でやる感じです。
だからつまり、ワンフットの漕ぎ方を習得するのと同じなのです。
ダブルプッシュの理屈

それぞれの足で、アンダープッシュとレギュラープッシュを一回ずつ行って進んでいきます。

さらには、この漕ぎ方、非常にパワフルでちゃんとマスターできればEddyのように
道満の坂でもワンフットで昇っていく事が可能な様です。
アンダープッシュ
アウトエッジ側のワンフットです。

膝がまっすぐ伸びる前半の部分がパワーの秘密です。
キックの部分を良く理解して踵(かかと)で蹴りだす技術を身につけて下さい。

ウイールはアウトエッジ側ですが、できるだけ垂直に加重します。
レギュラープッシュ
インエッジ側のワンフットです。

比較的簡単な順方向のキックです。
ダブルプッシュの動き(アンダープッシュ・レギュラープッシュ)を両足で同時に行うと
パラレルの動きになるのですが、腰を使って下半身のキックではなく、膝下のキックで進む様な動きになります。
繰り返しますが自転車を漕ぐ様なプッシュでなく、膝を延ばす様なキックです。
腰と膝で行う通常のパラレルとは感覚が違います。

レギュラープッシュ、アンダープッシュ・・・
ワンフットで蛇の様に滑走
1)パラレルが出来たら、まずは補助足を使って同じ足のアンダープッシュ(またはレギュラープッシュ)を
練習します。

2)次に補助足を爪先立ちにして、アンダープッシュとレギュラープッシュを連続して行って滑ります。

3)最後に、ワンフット状態で滑走できるようになって下さい。

まずは片側だけ練習して身につける
最後に一連の動きを通して行います。

1) アンダープッシュ
2) レギュラープッシュ
3) (姿勢維持)
4) リカバリ
5) ベースポジション

最後に次の様につなぎます。

1) アンダープッシュ
2) レギュラープッシュ
3) リカバリ
4) ベースポジション

スタート
スタートは直線に踵がかかる様に踏み込んで6歩で完了。
加速の6歩では滑らない様に注意。

他にも色々(執筆はいつになるか不明ですが)
ストレッチ  
直線上を真横に進む。クロスステップの練習。 クロス状態も大きく歩幅をとり、歩幅がばらけないように。
この時も踵でキック、踵でキック、踵でキック、踵でキック
尺取り虫の様にクロスオーバープッシュ 踵によるキックは守る、爪先になると前によろけるので注意。
上体は外を向いて
追い越し、ポジショニング  
クロスステップによる直進の応用
 
最速のアイ〜ン


Thank you Eddy! See you next workshop! I hope that would be A2A... :-)

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